World Jazz Gallery Presents

World Jazz Tour navigated by Edward Simon

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The Inventor

 Room #05

Bobby Watson & Horizon
"The Inventor"

   (Blue Note CDP 91915-2)

Recorded on   June, 1989
Recorded at   A&R Recording, Inc.
Recorded by   Bob Brockmann
Produced by   Matt Pierson & Bobby Watson
Liner notes by   Bobby Watson
Issued in   1990  (Blue Note, USA)

1. Heckle And Jackle
    (Bobby Watson)
2. The Inventor (For Dad)
    (Bobby Watson)
3. P.D. On Great Jones Street
    (Victor Lewis)
4. The Sun
    (Melton Mustafa)
5. For Children of All Ages
    (Bobby Watson)
6. Dreems So Real
    (Bobby Watson)
7. The Show of Newark
    (Victor Lewis)
8. Homemade Blues (For Bo)
    (Bobby Watson)
9. The Long Way Home
    (Bobby Watson)



Bobby Watson   (alto saxophone)
Melton Mustafa   (trumpet)
Willie Williams   (tenor saxophone)
Benny Green   (piano)
Edward Simon   (piano & synthesizer)
Carrol V.Dashiell, Jr.   (bass)
Victor Lewis   (ds)
Don Alias   (percussion)

アルトサックス奏者のボビー・ワトソンもエドワード
・シモンの才能を高く評価しているひとり。ソロイス
トに創造的なスペースを与えるという点で最高のピア
ニストというような意味の言葉を述べている。「彼の
ように私を夢見心地にさせてくれるプレーヤーはなか
なか居ない。」と。

この "The Inventor" はボビー・ワトソン率いるホラ
イズンでのエドワードのデビュー作品にあたる。ピア
ニストには名手ベニー・グリーン(前任者)も名を連
ねているが、このことが結果的にエドワードのプレイ
スタイルを浮き立たせる形になっているように思われ
る。前掛かり気味(推進型)のベニーに対して、やや
下がり目の位置取り(後押し型)のエドワード、とい
った対比が面白い。

ベニーはジャズの伝統のそれこそ真っ直中で育ったの
に対し、エドワードは3年前に米国に渡る前までの少
年時代をベネズエラの地方都市で過ごした。ジャズに
触れるチャンスは殆どなかったことは本人も認めてい
る。米国留学の本来の目的もクラシックピアノを学ぶ
ことにあった。ボビー・ワトソンの指摘するところに
よれば、ジャズのバックグラウンドを持たないことが
逆にエドワードの個性を育んだということになる。

この作品はエドワード・シモンがストレートアヘッド
ジャズに取り組んだ最初のもの。20才にして自己の
プレイスタイルを確立しつつ、共演者の信頼を勝ち得
てしまったことは天賦の才と言うほかないのだろうか。
新生ホライズンバンドの門出を記録した聴き応えのあ
る作品にもなっている。
Edited by Kazunori KONO, May/9th/2005   Back